06.25

石巻川開き祭りの歴史を学ぼう!
石巻で一番大きなお祭り、川開き祭りが始まったのは、いまから104年前の1916年8月18日。町の繁栄に役立てようと経済協会が中心となり、「石巻川開祭協賛会」をつくりました。北上川をきれいになおし、石巻の港を開いた川村孫兵衛(かわむら・まごべえ)へ、ありがとうの気持ちを伝えるお祭としてはじまりました。
そして、石巻のいろいろな場所で開催されていた「川施餓鬼」(水が原因で死んでしまった人をお祈りする儀式)を統一した供養祭や花火大会、流燈(船のかたちの板に灯篭をのせて川に流すこと)なども行われました。
【第1回川開き祭りの様子】
遊覧船を出港し、となりまちだけでなく、遠くからたくさんのお客さんが集まりました。
しかし、1918年には米騒動のため中止となり、日本はまもなく戦争が始まりました。
川開き祭りが復活したのは、戦争が終わったつぎの年の1946年。
その3年後の花火大会で、数十年ぶりに大きな花火が打ち上げられました。
1950年には、行事を市民からなんと、賞金付きで募集しました。
その結果、陸上行事では仮装行列、七夕祭り、動物景品付き納涼市や、山車、競輪、芸妓手踊り、のど自慢、水上行事では、懸賞屋形船、タライ競漕、水上大山車など、たくさんのイベントが開催されます。その後、子供みこしも初登場となりました。
【石巻の街が繁栄し始め、大盛り上がりの1970年代の七夕飾り】
川開きの行事はどんどん進化していき、1970年代には現在にも続く大漁おどりや孫兵衛競漕、2000年代には市民が陸上で競う「縄張神社奉納 大縄引き」が始まり、陸上、水上のいたるところで、常に何かが開催されている見どころ満載のお祭りとして市民に親しまれていきました。
【第1回縄張神社奉納 大縄引きのようす みんなで力を合わせて一生懸命縄を引きます。】
【1955年から2000年代前半まで行われていた「ミス川開き」】
【たくさんの苦難を乗り越え、続けてきた街の誇り】
しかし、この104年の間には、戦争以外にも開催ができなくなりそうになったことが何度もありました。
1960年には、チリ地震津波で大きな被害を受けながらも開催。1978年には、宮城県沖地震であえなく中止……。また、2011年の東日本大震災。石巻市民はあの年の夏も、川開きを開催することを決めました。規模は大幅に縮小せざるをえませんでしたが、祭りの開催が人々の心を少しでも上向きにし、まちがひとつになって復興への道を共に歩いていけるように。
そして、2020年。今年は新型コロナウイルスの影響もあり、残念ながら川開きは中止になってしまいました。来年には皆で石巻川開き祭りを楽しめるように願いを込めて、今年はおうちで、手作りの夏の思い出をつくりましょう!
■年表で見る石巻川開き祭り■
1916年 第1回石巻川開き祭り開催
1917年 花火と水上行事が開始される
1918年 米騒動のため中断
1946年 復活
1950年 行事を一般市民から募集
陸上パレード開始 子供みこし
1955年 ミス川開き
1960年 チリ地震
1973年 大漁踊り
1978年 宮城県沖地震の影響により中止
1986年 大漁歌い込み
1997年 AQUA DANCEスタート
2006年 縄張神社奉納「大縄引大会」を開催
2011年 東日本大震災により、規模を縮小して開催
2012年 大漁踊り復活
2013年 孫兵衛船競漕復活
~備考~
【白黒写真は全て石巻市役所所有。1964年頃のものです。】
【カラー写真は石巻青年会議所所有のものです。】